紅葉を見がてら【飛騨高山】へ行ってきた。
今年は寒暖の差があまりないらしく、例年に比べ綺麗に紅葉してないとか・・・。 それでも赤や黄色に色付いた山々の紅葉は十分に目を楽しませてくれた。 雲ひとつない青空から、高山駅に着いた途端に霧の中・・・それがすーっと晴れて、11月とは思えない暖かな秋の日、『飛騨高山』の旅が始まった。 飛騨と言えば、やっぱり飛騨牛に、朴葉味噌・・・それから高山ラーメンは外せない。 食べることしか考えてないわけではないけど、確かにいっぱい食べた。 でも飛騨の家具や文化に触れながら、人々の暮らしぶりと白川郷の合掌造りに見る、 先人の知恵をほんの少し知ることが出来たことは、旅の大きな収穫となった。 【飛騨古川】 高山駅から車で2~30分ほどのところに、かつて城下町として栄えた古い町並みがある。 鯉の泳ぐ瀬戸川や格子戸を見ながらぶらぶら歩くにはちょうどよく、造り酒屋や和ろうそく店など古い商家が軒を連ねた風情ある町。 秋らしい景色をバックにまるで雑誌の1ページのように切り取る・・・実は、マクロレンズを買ったのが嬉しくて、カメラマンさながら撮りまくった三日間。 偶然にも、年に一度の『一斉放水』の日と重なっていた。 三日目はあいにくの天候で、もしかして『一斉放水』は中止かとも思ったけど、一般に告知していないだけに確かめようがなく、小雨降る中をとにかく行ってみることに・・・。 読みは正解で、雨でも決行・・・8時からの放水開始まであと15分・・・一気に展望台に駆け上がり一望し、そしてダッシュで山を下りて間近でも見た・・・その間15分!! ゼイゼイ・・・きっと忘れたころに筋肉痛だわ・・・(泣) 豪雪地に建つ合掌造りの建物には、先人の知恵がいっぱい詰まっていた。 釘を一本も使わず、屋根はその荷重だけで乗っていて、固定されていないのだ。 ほぼ60度の急勾配は雪が滑り落ち、また重さに耐える構造。 囲炉裏の煙で、屋根裏まで煤で燻され黒光りしているのは、防虫効果と結束した縄や、マンサクの枝をやわらかくした「ネソ」と言われる、自然素材で結わえた部分の強化と言う効果もあるそうだ。 時代の流れで、当然ながら電気やガスの普及が進み、50年、100年と葺き替えるスパンが長かった茅葺き屋根の傷みは、25年と早まっているとか・・・。 ここで暮らすことは大変な苦労がいるけれど、年間250万人もの観光客が国内外から訪れることで、町が成り立っているのだと話してくれた。 生まれ育ったところに住み継ぐと言うこと、そしてふるさとを守りたいという思いが、そこに住む人々を強くしているに違いない・・・。 現代は「耐震」や「免震」と、みんなが意識するようになったけど、二百年の時を経ても尚、今も凛とした佇まいで呼吸し続けているこの建物に包まれていると、先人の知恵にただただ尊敬の念を抱かずにはいられない。 『飛騨高山』の旅は、便利さに慣れ日常の中でつい忘れている大切なことに気付かせてくれた・・・そんな気がする。
by presente
| 2011-11-08 09:20
| 旅
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